【制作レポート】「自然を主旋律としてピアノは調和を」

5.23

本プログラムでは、2020年に南部エリアの一部が改修され、現在は人々の憩いの場として親しまれている隅田公園を会場に、高木正勝の作品音源をお借りし、サウンドインスタレーションを実施しました。

園内で新たに改修された公衆トイレ上に設置したスピーカー(以下:固定スピーカー)と、sonihouseの無指向性スピーカー(以下:移動式スピーカー)を公園内に移動させる、2つの手法で音楽作品を展開しました。

■1日目、8月13日(金) 天気:雨

『隅田川怒涛』夏会期の初日は、あいにくの雨。この日は固定スピーカーから作品を流しました。可聴エリアの芝生に作品のキャプションとのぼりを設置。東京スカイツリーも望める良い眺望です。

会期中は、公園内に『隅田川怒涛』のインフォメーションも設置していました。当日の運営には、隅田川怒涛のスタッフだけでなく、 ご応募いただいたサポーターの皆さんにも参加していただき、来場者対応や作品説明、ハンドアウトやチラシを配布しました。



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(上2枚写真 撮影:山本マオ)

■2日目、8月14日(土) 天気:雨

この日も、固定スピーカーから作品を流しました。本展示では、高木正勝のピアノ曲集〈Marginalia〉を、隅田公園でたくさんの方に楽しんでいただけるように隅田川怒涛事務局が構成。〈Marginalia〉は、高木正勝が自宅スタジオの窓を開け放ち、鳥や虫たち、風や雨とセッションした記録として制作されたプロジェクトです。〈Marginalia〉によって、普段とは異なる公園の景色、風景をお楽しみいただけたのではないでしょうか。この日も雨天模様でしたが、雨音と自然音が調和が心地よい空間をつくっており、「贅沢」と聴き入る方もいらっしゃいました。



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(写真:夜の会場の様子)

■3日目、8月15日(日) 天気:雨

雨が続きます。期間中、インフォメーションの脇には、3面体のサインを設置していました。春会期の概要や当日写真、夏会期の概要とプログラム紹介を掲示していました。

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■4日目、8月16日(月) 天気:雨

この日は、隅田公園の北部エリアにあるトンネルの中に、移動式スピーカーを設置しました。今回、移動用で使用したスピーカーは、sonihouseの12面体の無指向性スピーカーです。トンネル内で反射音が響き、独特の雰囲気が出来上がり、多くの方に立ち止まって聴いていただきました。この日は、多くの来場者の方にアンケートにご回答いただきました。

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■5日目、8月17日(火) 天気:雨のち晴れ

この日は、固定スピーカーから雨天仕様の音楽を流しました。夏ですが冷え込む日が続いていました。会期中は、サポーターの皆さんに参加日には日誌を書いていただき、お客様の様子や、会場の風景、参加した感想を記載させていただきました。

夕方から晴れてきたこともあり、お散歩や通勤で多くの方にお立ち寄りいただきました。

■6日目、8月18日(水) 天気:晴れ

この日は隅田公園の広場エリアにある、2本の大きな木の根元に、移動式スピーカーを設置しました。広場では、子どもが遊んでいたり、ベンチで休んだりして憩っている空間にサウンドインスタレーションを設置することが実現できました。

今回、移動式スピーカーに電気を供給したのは、墨田区にあるI JUST INCの「でんきバンク」という、持ち運び可能な蓄電池と太陽光パネルの発電システムです。隅田川怒涛では、たびたびこちらの「でんきバンク」をお借りし、自然エネルギーを用いた作品展示を心がけていました。

また、この日はWebメディア「PLAY TOKYO」にも取材をしていただきました。

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■7日目、8月19日(木) 天気:晴れ

最終日です。

隅田公園には、墨田の歴史性を感じられる日本庭園エリアがあります。この日は、日本庭園エリアの池のほとりに移動式スピーカーを設置しました。エリアにはさまざまな植栽が植えられており、鳥や昆虫、亀などの野生動物も生息しています。自然の多いエリアで〈Marginalia〉と自然音の調和が感じられる場所での設置となりました。

池の反対面まで響いており、エリア全体に心地よい空間が流れます。

この日は、「water state 1」の作家である、メディアアーティストの高谷史郎さんにもご来場いただきました。

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本プログラムは、会期中、1522名の方にご参加いただきました。

お暑い中、またお足元の悪い中、多くの方にご来場いただけたことを大変嬉しく思います。

トッピングイーストは、これからも屋外空間で人々が音楽やアートに出会える場づくりにチャレンジしていきます。

小出有華

 

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