9/5(日)まで開催されている「water state 1」の制作の裏側をレポートします。
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坂本龍一+高谷史郎「water state 1」の作品で使用されている石は、隅田川の上流である荒川を上っていったところ、埼玉県秩父市長瀞町からお借りしています。(作品終了後は元の場所へお返しします。)
秩父は貴重な地質が間近で見られることから「地球の窓」とも呼ばれ、地質学的にも有名なエリアです。
展示から約1ヶ月前、作家の高谷史郎さんとともに長瀞へ向かいました。実際に石を見ながら、秩父市役所ご協力のもと石博士こと秩父まるごとジオパーク推進協議会城跡推進員吉田さんに解説をしていただきました。
古くは3億年前のものがごろごろ落ちているエリア。チーム一同ワクワクしながら、ひたすらに地面を見て時間を過ごします。
一通り説明を聞いたあとに、石の選定に入ります。高谷さんの選定した石のサイズや色、形、置いてある場所を詳細に記録しておきます。展示設営中の期間に再度訪問し、地元秩父の運送業者さんに運んでいただく流れです。自然のものなので、いつ川が増水し流されてしまうかわからないため、大・中・小 全部で9つの石を候補として選定しました。
会場に作品壁が建ち始めたころ、再度事務局メンバーで採集に向かいました。
採集の日まで全国的に記録的な長雨だったこともあり、下見時より川幅は広がり、いくつかは見つけることができませんでしたが、 多めに選定していたこともあり無事会場まで運ぶことができました。
展示会場の前に置いてある比較的小さな石も、秩父の石です。秩父では小さな石でも、東京にくると大きな石に感じます。
トラックから会場に石を搬入。コロコロのついた台車に乗せてまずは水洗い。乾いた後にベルトを巻いて引っ張り、会場の中へ運び込みました。
最後に作家の高谷さんが会場入り。まずはあたりをつけていきます。石の表情は360度様々で、どの面をどこに向けるか/どこに置くか、で展示空間の印象が大きく変わります。まさに、お庭をつくる様子を見ているようでした。
だいたいの位置を決めたら、床の養生を剥がして実際の展示床に。台車から石を下ろして微調整をし、展示空間を作っていきました。
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■「water state 1」(インスタレーション)
アーティスト|坂本龍一+高谷史郎
日 時|8月22日(日)—9月5日(日)平日12:00—20:00、土・日10:00—20:00
会 場|東京都墨田区東向島3-22-10 (北條工務店となり)
参加費|無料、事前予約制
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