9/5(日)まで開催されている「water state 1」の制作の裏側をレポートします。
「石選定〜採集〜展示」編はこちら
坂本龍一+高谷史郎「water state 1」の作品で使用されている水は、隅田川の水を取水し、濾過したものを使用しています。(取水/濾過協力:株式会社島田商店)
取水場所は岩淵水門。岩淵水門は荒川と隅田川の分岐点にあたる水門です。
荒川下流河川事務所へ手続きを行い、安全に充分配慮して取水しました。
大きな機材を持ち込むことは難しいため、ポンプで組み上げた水をバケツリレーのようにして堤防の上に持ち上げます。今回は合計15名が参加しました。
満潮時と干潮時で水位は大きく変わります。干潮時に取水しようとすると川に身を乗り出す必要があり危険なため、ライフジャケット装着の上、取水日の満潮のタイミングであった早朝に作業をしました。掃除機のようなポンプで20Lのポリタンクに川の水を入れていきます。
車で川のそばまで降りることができないため、川で汲んだ水は人の手でバケツリレーのようにして車に積みます。
取水、濾過に協力してくださったのは墨田区にある島田商店さんです。
島田商店さんの工場にポリタンクを運び込みます。総取水量は1t、ここから濾過していくので、2割ほど量が減るそうです。
大きなポリタンクに全ての水を詰め替えて濾過の準備完了。
今回濾過に使用するのは、環境に優しい水質浄化剤の「きよまる君」です。「きよまる君」は凝集剤というもので、水の中の濁りの原因物質を凝集し沈殿させるものです。
濁りを取った後に、浄水場で使われている方法と同じ活性炭で臭いを取り、塩素殺菌されて濾過は完了。再度持ち運びができるバックに入れ替えて、会場へ運びます。
大きな水盤がある今回の作品では、作品公開中にももちろん水盤から水が蒸発していきます。毎日水は継ぎ足し、必要に応じて水盤の水を入れ替えるなどメンテナンスをしています。
私たちの身近にある隅田川の水を使った今回の作品、是非会場でご覧くださいませ。
————————————————–
■「water state 1」(インスタレーション)
アーティスト|坂本龍一+高谷史郎
日 時|8月22日(日)—9月5日(日)平日12:00—20:00、土・日10:00—20:00
会 場|東京都墨田区東向島3-22-10 (北條工務店となり)
参加費|無料、事前予約制
↓詳細はこちら